
左 凛 / 右 翼 共に中1 岩絵具・和紙・パネル
ひとみです。今日も学生クラスから、凛と翼の日本画作品を紹介したいと思います。二人とも同じ、鳥と自然をモチーフにして描いていますが、写実とデザイン化された絵で、だいぶ雰囲気が違いますね。
凛は緑溢れる林の中にいるメジロを描いています。メジロと林、どちらも同じ緑ということで、「色が被ってしまう!主役が目立たなくなってしまう!」と色選びに苦戦しました。けれども背景の緑=中間色に青を追加し寒色寄りに、メジロの緑には黄味寄りの暖色を選び、羽などの絶妙な色の変化を捉えることで、埋もれることなく主役を映えさせることに成功しました。実際に梅の木に止まって休憩をしているかのような生き生きとした様子を感じられる1枚になったと思います。
続いて翼は、レトロなイラストを選び模写しました。紅葉舞う水辺にとまっている鳥の様子です。しかし全くの模写ではなく、尾形光琳の屏風絵ようなモダンな要素を加えることで、オリジナリティーを出しています。あえて鳥や波紋を平面的かつ線的な描き方にすることで、装飾的でデザイン性の高い1枚に仕上がりました。画面上部に鶯色の補色となる紅葉の鮮やかな朱色を入れ、下部は統一感を大切に、水に落ち着いた色を選びました。バランスの保った画面になっています。
同じモチーフを扱った二人でしたが、色や描き方でそれぞれの良さを感じられます。凛はウグイスと木々にぐっと迫って写実に描くことに、翼は画面としてのまとまりを出すことにフォーカスをしています。どこに焦点を定めるかでここまでの違いがみられて、二人が何を大事に描いているか感じられたのではないでしょうか。