サヤカです。今回は学生クラスの日本画をご紹介します。

圭介 中3 岩絵具/和紙・パネル
渋い配色に錦鯉の鮮やかさが光ります。赤と白の配色の錦鯉は「紅白」と呼ばれ、200年以上前に遡る日本の錦鯉の始まりとも言える種類だそうです。シンプルな配色ですが、鮮やかな赤と光が反射した橙色をうまく使い分け、映えるモチーフになっています。また、植物や池の配色も見事です。鯉以外の植物や池の水面はグッと彩度を下げ、鯉の鮮やかさがより強調されています。また、輪郭を残した線が日本画らしさを生み、とても完成度の高い作品に仕上がりました。

千紘 中2 岩絵具/和紙・パネル
花の存在感が印象的な一枚です。エーデルワイスにも見えますが、睡蓮です。花びらが淡いグラデーションになっていたり、縁が紫色で描かれていたりと繊細な仕事が伝わってきます。睡蓮の儚さと対照的な紫色で睡蓮を囲うことで、睡蓮へ視線が誘導されますね。背景は滲みを使い、幻想的な雰囲気を演出しています。写真ではお伝えしづらいですが、実際に見ると岩絵具の煌めきも加わり、ふと池を覗いた時に美しい花を見つけたささやかな昂りを感じられる作品になっています。
二人とも中学生とは思えないほどの落ち着いた作風に驚かされました。モチーフも自然の風景を選び、日本画にしかできない表現をしっかり作品に落とし込んでいます。これからも二人の作品を楽しみにしています!