頭の中のイメージそのままを


近藤 色鉛筆

岩田です。今回は、近藤さんの作品をご紹介します。

色鉛筆で描くことに特化し、今までも様々なモチーフを描いてきた近藤さん。こちらの絵は、色鉛筆画にしては比較的大きい四切画用紙(38㎝×54㎝)サイズで描かれました。

筆で描くことは、どちらかというと苦手と言う作者。
滲んだり、ボケたりせず、狙ったところに芯の先を合わせ、カリカリと描き込んでいく方が得意だとはいえ、これだけの大きさの紙を色鉛筆のみで描き切るというのは、本当に凄いことです。
アップした画像からも伝わってくると思いますが、実際の作品を見ていると、あまりに緻密すぎて、どんどんと引き込まれて行きます。

色鉛筆ということもあってか、全体を捉え大きい関係性から徐々に細かいところへアプローチしていくというより、ポカンと塗っていない余白に近いようなところもあれば、葉っぱなどは始めから結構密度を上げて描いていく手法。
途中経過としては、そんな感じで、描いているところといないところがまだら模様のように存在しているのですが、途中から、それらがネットワークのように繋がってくる様をとても面白く拝見していました。

そうした描き方も、小さい画面では比較的辻褄を合わせやすいと思いますが、これだけの画面を制すとなるとかなり苦労したことは想像に難くありません。
とはいえ、そうした第三者が見て、大変だなぁと思うことでも、ひたすらにコツコツと積み上げていくことに楽しみを見出すことができる作者ならではの気質がなせる技でしょう。

深い森の中で、朽ち果て地中に埋まったスコープドッグ(TVアニメ、装甲騎兵ボトムズに出てくるロボ)。木漏れ日差す一本道をこちら側に歩いてくる男女。様々なストーリーを起草させてくれます。

近藤さんの頭の中のイメージそのままをそっくり再現できたのではないでしょうか。