夏休みワークショップ

『夏休みのワークショップ』のお問合せが増えて参りました。大変遅くなり申し訳ございません。一般の方も、生徒さんも参加できる講座です。本日はまずは文字情報のみ、詳細は明日以降に順次お知らせします。

幼児~小学3年生対象 小学校受験保護者対象 小学校受験園児対象 小学生対象 小学4年生~中高生対象

7月17日(木)10:00~11:30 小学校受験保護者対象『夏休みの自宅課題の進め方』

7月20日(日)  9:00~10:30 小学生対象『油絵』
                      10:40~12:10 小学生対象『油絵』
                      13:00~15:00 小学4年生~中高生対象『デッサン』

7月22日(火)15:00~16:15 幼児~小学3年生対象『紙制作+絵画-セミ』

7月24日(木)14:50~16:20 小学生対象『油絵』

7月25日(金)  9:00~10:30 小学生対象『油絵』
                      10:40~12:10 小学生対象『油絵』
                      13:00~15:00 小学4年生~中高生対象『デッサン』

7月27日(日)13:15~14:30 幼児~小学3年生対象『紙制作+絵画-クワガタ』
                      15:00~16:30 小学校受験対象『帽子制作+飾りパーツの発展』

7月28 日(月)  10:30~12:00 小学生対象『油絵』

7月30日(水)16:30~17:45 幼児~小学3年生対象『紙制作+絵画-セミ』
                      18:00~20:00 小学4年生~中高生対象『デッサン』

8月1日(金)10:00~11:30 小学生対象『油絵』

8月4日(月)10:30~12:00 小学生対象『油絵』
                      13:00~14:15 幼児~小学3年生対象『紙制作+絵画-トンボ』

8月5日(火)15:00~16:15 幼児~小学3年生対象『紙制作+絵画-カマキリ』

8月8日(金)  9:00~10:30 小学生対象『油絵』
                      10:40~12:10 小学生対象『油絵』

8月18日(月)10:00~12:00 小学4年生~中高生対象『デッサン』
                     
16:30~18:00 小学生対象『油絵』

8月19日(火)15:00~16:15 幼児~小学3年生対象『紙制作+絵画-クワガタ』
                      16:30~18:00 小学生対象『油絵』

8月20日(水)16:30~18:00 小学生対象『油絵』

8月21日(木)16:30~18:00 小学生対象『油絵』

8月22日(金)13:45~15:00 幼児~小学3年生対象『紙制作+絵画-カマキリ』
                      15:30~17:00 小学校受験対象『絵画4枚+発表練習』

8月26日(火)15:00~16:15 幼児~小学3年生対象『紙制作+絵画-トンボ』

小学生の日本画10

火曜日ですがオバラです。小学生の日本画紹介も今日でラスト。皆様、長い期間お付き合い頂きありがとうございました。
「カッコ良く描きたい」「きれいって言われたい」「かわいくしたい」「上手いって思われたい」「褒められたい」そんな欲求をエネルギーに変えて、ここまで一生懸命描けるのですから尊敬してしまいます。
でもまぁ「丁寧にやらないと、鬼のように恐ろしいノリ先生が怒って怖いから…」という理由が、結構な割合を占めることも無きにしも非ず、か?(笑)

小学生の日本画9

大竹です。沢山ご紹介させて頂いております小学生の日本画ですが、まだまだございます!
日本画という大人にとっても未知の画材でありながら、迷う事なくガンガンと絵の具を乗せていく子供たちの制作姿勢が、完成作品からも伺えるかと思います。とってもエネルギッシュで、パワフル!しかし今回は金箔や銀箔を使って月を表現する為、背景を夜の暗闇にしているせいか、普段の作品と比べどこか神秘的な雰囲気が漂います。油絵の時とはまた違った仕上がりとなったのではないでしょうか?日本画は平面的な表現とも相性が良いので、小学生のベタ塗りがむしろ良い味を出しています。画材の性質上、混色が出来ないという制約がありますが、それがかえって濁りのない鮮やかな色合いで作品をまとめる事が出来ているのかもしれませんね。

子供たちが描く動物たちの、なんとも言えぬ表情や線には独特の魅力がありますね。どことなく描いた本人に雰囲気が似る傾向がありますので、描かれた動物たちから作者の人柄を想像してみるのも面白いですよ。意外な事に、やんちゃでおしゃべりな子が大人しそうな草食動物や小動物を選ぶ事が少なくありません。不思議ですね?理想の姿が無意識に反映されていたりするんでしょうか?

日本古来の技法でありながら、油絵以上に触れる機会の無いものでしたので、珍しい経験になったのではないでしょうか。一度自分で取り組んでみると、のちに日本画を目にした時の見方がきっと変わる事でしょう。絵画制作は作品を作り上げる以外にも、その経験が後の人生に影響していきます。今回の日本画の経験が、子供たちの今後へほんの少しでも彩りを加える事が出来ましたら嬉しいです!

アゲンストをはねのけて


置田 岩絵具/和紙・パネル

岩田です。小学生のパワフルな日本画紹介が続いていますが、本日は大人クラスの日本画の作品です。期間限定、大人クラス、学生クラスで日本画を描く方々の作品100枚以上が壁を席巻し、実に様々な画風があって、いつも面白く拝見しています。今回は、先陣を切って完成に至った置田さんの日本画をご紹介します。

皆さんもここにきて、アトリエにある日本画の作家達の図録を見て、油絵同様、本当に多種多様なアプローチがあることに驚いているかもしれません。私の作品を所蔵して頂いている信濃町にある佐藤美術館は、国立、私立問わず日本画の学生へ積極的に奨学金の支援をしている国内でも数少ない美術館ですが、しばしば開催される学生達の作品を見ても、日本画界に若い世代が常に新しい息吹を吹き込んでいることが分かります。今回、日本画というジャンルに興味を持った方々も、時々訪れてみると如何でしょう。

さて、置田さんのモチーフは女性像ですが、これまで一貫して人物画を描き続けていらっしゃいます。ぜひこちらの油彩もご覧ください。今回は、和服を着てかんざしに手をやるクラシカルな日本女性の姿を描きました。
鉱物やガラスの粒子を膠に溶き、絵の具として描く日本画。聡先生曰く「日本画で最も難しいのは美人画です。」とのこと。前述したように、水彩や油彩の絵の具のような粉体の顔料と比べ、粒子が荒いので、ムラになり易く、均一に塗ったり、グラデーションを作ることが難しく、きめ細やかな女性の肌を描きずらいというのがその理由のようです。

とはいえ、置田さん、そうしたアゲンストの状況をはねのけ、何度も塗り直しを重ね、何とか頑張ってムラのない美しい肌を描こうと奮闘しました。光を受けているところと影の色を繊細に塗分けるのは、さぞ困難を極めたことでしょう。また細い線で目鼻を描く事も練習を重ねました。線は最終的に黒では強すぎる為こげ茶にするなど工夫を重ねこの繊細な表現に行きつきました。着物の微妙な濃淡も美しく描かれていますね。

岩絵の具や水干絵の具を使って描く独特な技法に慣れない中で、ここまで描き上げたこと、それだけで立派です。今回の貴重な経験が、他の画材を扱う際にも、何かしらのプラスの影響を与えることができたら良いなぁと感じます。

小学生の日本画8

最近ミオスのお手伝いでは、小学校受験クラスの紙工作の試作を作りまくっている大志です。精巧に作るのはいくらでもできますが、幼稚園児ができるレベルまで難易度を下げ、なおかつリアルな立体物となると話は別。実力が試されているようでワクワクします。
8回目となる小学生クラスでの日本画紹介ですが、私も少しお話ししたいと思います。

普段あまり触れることのない、どころか人生初めての日本画ということで、最初は少し緊張しながら取り組んでいる様子の子も多く見受けられました。(ノリ先生が「日本画の絵具は宝石からできていている!金箔もこんなに薄いのに1枚300円!無駄遣いしたりこぼしたりしないように!」と脅すのが主な原因でしょう…笑)
それでも、小学生のみんなはそれぞれの個性を存分に発揮し、ユニークで魅力的な作品がたくさん生まれていました。

私は今回は大学の授業の都合で小学生クラスの開始時間に間に合わず、子どもたちの制作風景をじっくり見ることはできなかったのですが、「月」の金箔・銀箔を貼る場面でお手伝いをさせていただきました。

箔は非常に繊細で、少しの鼻息でも飛んでいってしまったり、貼る直前に破れてしまったりと、扱いがとても難しい素材です。しかも子どもは「絶対に笑っちゃダメ!」と言われるとなぜか爆笑したくなる生き物、我慢が大変でした。フワフワと空中に飛んで行ってしまう箔の破片をみんなで追いかけて走り回り、他のチームの箔を巻き散らかしてしまう大惨事も起こりました。しかしその甲斐あって、マットな岩絵具の中に金属の輝きが加わることで、作品に一気に高級感が加わり、ぐっと引き締まるのが印象的でした。

そして、何よりすごいと思ったのは、こんなに輝かしい箔を贅沢に使った作品でありながら、子どもたちが描いた絵が全くそれに負けない迫力を放っていたことです。
箔の煌めきにも引けを取らない、力強くて魅力的な表現に、改めて子どもたちの創造力のすごさを感じました。

小学生の日本画7

ついに梅雨入りですね、ひとみです。もうお腹いっぱいかもしれませんが、引き続き小学生クラスの日本画についてです。

今日のブログは特に色に関しての特徴、その面白さを紹介しようと思います。昨日のあかり先輩(高校生アシスタントは小学生から、先生ではなく「先輩」と呼ばれています)のブログでありましたように、砂状の固形の時と液体絵具にした時の色味が変わります。海や河原で拾った美しい石を家に持ち帰って乾かすと、白っちゃけたような薄い色になってがっかりした経験はありませんか?石は水を吸うと色が濃くなる為、色選びの難易度が上がってしまうのです。また、画面に着彩した際の発色も他(水彩や油絵など)に比べて独特です。特に胡粉(牡蠣の貝殻を10年間も雨・風・日ざらしにし潰した粉)を使った白色は隠ぺい力が強く、薄く塗ったつもりでいても、乾いた後に白色が鮮明に現れ、下の色が消されてしまうのです。しかし乾いてからの思いがけない色の変化など、その意外性が面白いところだと思って頂ければ、日本画ほどワクワクする画材もないでしょう。

そんな繊細な絵具を使っての着彩でしたが、立体的に見せる影の落とし方だったり、輪郭線の強弱だったり(日本画は線の美学とも言われ、平面性を重んじる描き方もあります)、絶妙な移ろいが綺麗な仕上がりです。また、月明かりの色は静寂な雰囲気漂う子やカラフル華やかな子と、一人一人の月明かりの解釈の違いが見られて同じ月でも個性を感じられます。

日本画は準備で大変なことが多く、また1両目(15g)で4,000円もする岩絵具もあるほど高い画材の為、中々個人で揃えるとなると手を出しにくいと思うので、こうして取り組めたことを一生自慢して欲しいです!

小学生の日本画6

月曜と木曜の小学生クラスのお手伝いをやらせて頂いております高校2年生アカリです。普段は学生クラスの生徒でもあります。
画材に『日本』という名称の付いた日本画ですが、日本人であっても日本画を描くチャンスはほぼ無いことだと思うので、そんな体験ができるミオスは素晴らしいなぁと思っています。現在、私も学生クラスで日本画を描いているので、毎週ワクワクしています。

初めて岩絵具を見た小学生たちは、「宝石のように色鮮やかな砂が、絵具に変身するんだ!」と、興奮していました。
それぞれ自分の好きなテーマの写真や、ご両親から選んでもらった写真を複数枚持ってきて、「どれが良いかな?この二つの写真のどちらもお気に入りで迷っちゃうな。」と最初からとても悩んでいました(笑)。私はこどもの意思を尊重したいので、「こっちは色が素敵だけど、こっちは形が可愛いね。」「2枚を組み合わせても面白そうだね。」と決定することは控え、あくまで感想を言うスタイルを取っています。一生懸命考え自分で決めたからこそ、自信を持って描き進められると思っているからです。

とは言え、初めて使う画材です。いつもの様に上手くいかなかったり、自分が想像していたのと違くなってしまうと、時々少し不安げな顔をしている子がいました。しかし、次の週になって乾いている自分の絵を見て「かわいくなってる!」や「僕の絵いいでしょう?」と喜び自慢してくる声が聞こえてくると、私も嬉しい気持ちになりました。サヤカ先生のブログにもありましたが、濡れている時は塗り重ねた下の色が透けて見えたり、暗く重い色合いに感じますが、乾くと明るく白っぽくなり、色はかなり変わります。なので乾いてからのお楽しみ、ドキドキして次週を待つのが日本画の一番の面白さかもしれません。

日本画講座2【胡粉の使い方】

サトルです!日本画講座第二弾【胡粉の使い方】今回は胡粉を使った描き方を何種類か紹介します。第一弾【描き出し編】はこちら 

①盛り上げ塗り

その名の通り胡粉を厚く盛り上げる様に塗る方法です。ムラなく綺麗に塗れる事が特徴で、絵具の厚みを出す事が出来ます。
筆にたっぷりと胡粉を染み込ませ、塗りたい部分にドロッと垂らします。この時、筆跡が残らないくらい分厚くなる様に垂らしてください。最後に紙ヤスリで磨いて表面の肌理(きめ)を整えるのがおすすめです。

②混色

胡粉と水干絵具は混ぜる事が出来ます。左・人物の肌の部分のように、同じ皿に粉を出して完全に混色してから使う方法が一つ。
別々に膠と混ぜて置いて、パレットの様に混ぜながら塗ることも出来ます。また、画面上で乾かないうちに様々な色を重ねて複雑な質感を作ることも出来ます。右・桜は両方のやり方を混合しています。

③薄塗り 

盛り上げ塗りと逆で、水で薄めた胡粉で霧の様に淡く塗る方法です。単純に薄く塗るだけですが、左・風景画のように霧の様な空気感が出せるので魅力的です。水を敷いてから胡粉を塗るとキワがぼけて霧の様に出来ます。
右・紫陽花は、下地に塗っておいた暗い色を活かし、胡粉をたっぷり塗った所は上部ハイライト、下部の影の部分は水で薄めた胡粉を使い、白黒でデッサンしたようなボリューム感を出しています。

一つ注意したいのが、膠の量です。薄める時には水を多用します。膠を多く入れ薄めようとすると、光沢が出てしまいますので注意しましょう。

④厚塗り

濃いめの胡粉で筆跡を生かして描くことです。左・富士山の雪の表現や、右・鯉の動きを出すのにぴったりですね。しっかりとした表現が出来ますので、主役のモチーフに最適です。この塗り方は他の画材と使い方が一緒なので、最も馴染みのある方法だと思います。
また、胡粉に限らず濃いめの絵具を、紙パレットなどに大まか・大胆に置き、デカルコマニ―のようにパネルを押し付け偶然の下地を作るスタンピングなども可能です。

 

今回紹介した技法以外にも沢山の胡粉の使い方があります。これらはあくまでもメジャーな使い方ですので、これ以外の描き方をしても全く問題ありません。自分のイメージした雰囲気にならない時に参考にする程度で丁度良いと思います。

日本画も完成に近づいている人が多くなって来ました。作品が完成すると達成感もありますが、同時に少し寂しい気分になります。楽しく描いている作品ほどその気持ちは大きく、いつまでも描いていたくなります。しかし完成させるためにはどこかで区切りを付けなくてはならないのは、辛いことだなぁと、しみじみ思います。

抽象画の展覧会


玉置 アクリル

具体的な存在を想像させるようでありながら完全には掲示せず、何らかの規則性があるようにも感じるが詳細までは語っていない。
しかし初心者を寄せ付けないほど偏屈な印象がないところを見ると、作者は我々に理解を強要するのではなく、真意を求めて彷徨い続けることを楽しんで欲しいのであろう。鑑賞者の自由な想像を受け入れる、作者の柔軟な思考と軽やかさが備わっているように感じる。自分なりの解釈や答えを求め、いざ知的探究の旅へ。
日曜クラス玉置さんのグループ展を、ぜひご高覧ください。  オバラ

【うたかたⅢ】
会期: 2025.6/12(木)〜24(火)  *6/18(水)休廊
   12:00〜19:00(最終日16:00迄)
場所: 鈴画廊 中央区銀座1-9-8奥野ビル2F212号室
玉置在廊日:  6月12.15.17.19.21.22.24 (13:00-16:00迄)

自分の道を切り開く


立野 油彩・銀箔/木製パネル

岩田です。今回は立野さんの作品をご紹介します。ここ1週間のブログは箔の貼られた日本画紹介が続いていますので、こちらの作品も日本画に見えてしまいますね。しかしジャンルで言えば油絵。支持体は木枠にキャンバスを張ったものではなく木製パネルですが、板に直接油絵を描き、箔を貼っています。

電柱の後ろに大小様々な建物が建ち並ぶ、どこにでも見かける何気ない風景。そうした日常をモチーフにした今回の油彩ですが、立野さんならではのちょっと変わったアプローチで描き上げることで、単なる一風景画から脱却し、シャープで現代性を帯びた作品へと昇華させています。

通常は、空を塗るであろう青色を敢えて建物に置き、その上から線描でディティールを描いていく。その線も単色ではなく、何色かを合わせながら繊細な線を重ねていきました。
変圧器を主体に、手前に鎮座する電柱はしっかり描写していて、風雨を受け、その少し古びた質感が何とも哀愁を誘います。背景が青とシルバーの2色と至ってシンプルなぶん、そうした味わい深い表情が強調され、クールな中にもどこか昭和を思わせる感覚が宿っているのが何とも良い感じなのです。

更に銀箔を貼ることで、箔足やそれらが微妙に剥げてできた模様が、油絵具で塗っただけでは出せないある種屏風絵のような雰囲気を与え、作品をより一層美しく、オリジナリティ溢れるものに仕立てています。

時に迷いながらも自分なりの道を切り開こうとするその姿勢、とても素晴らしいと感じています。是非これからも立野さんならではの作品を追求していって欲しいと思います!