
河内 油彩
秋の気配を感じます。岩田です。
本日は、土曜午前クラスの河内さんの作品をご紹介します。
こちらの作品、正しく私が住む鎌倉の海を思い起させるような一コマ。
卒業という日を迎えた解放感に溢れつつも、未来への希望と不安、まだ学生生活を名残惜しむ十代ならではの心の機微を感じさせます。
こちらの絵を見ていると自分自身の気持ちがその頃へとオーバーラップしていくと共に、描かれていない情景までもが目の前に広がっていく不思議。
鑑賞者にそうした思いを抱かせるのは、作者自身の心が作品中にしっかりと投影されている証であり、絵が持つ力というのはつくづく凄いものだと感心します。
シンプルな絵でありながら、中々難しいモチーフに溢れています。
靴、しかもローファーを通常こうした角度で見ることはあまりなく、その形状も複雑ということで、描くのにはかなり苦労していたと記憶しています。砂地の空間も見事に表現されており、ある意味河内作品の一つの集大成となりました。
河内さんはお引越しで今日が最後となりましたが、またお会いできるのを楽しみにしています!!