見たもの 感じたもの

田中 油彩 

岩田です。朝晩涼しい日が続きます。
本日は、水曜日午前クラスの田中さんの油彩をご紹介致します。風景を題材にすることが多い田中さん。前回の作品はこちら

今回は風景画2作品ですがお互い少し趣の異なる作品といえるでしょう。
左手の作品は昔ながらのレンガ造りの建物を描いたもの。どこかヨーロッパに位置する郊外の風景のようです。全体的に柔らかい雰囲気で描かれており、建物に絡まるつる性植物も活き活きとした表情です。
田中さんは、こうした「モノ」を描きこむ技量もお持ちなのですが、私がいつも感心するのは絵が持ち合わせている情緒というか、その佇まいです。

その情緒を特に感じさせてくれるのが右手の油彩。前述の作品はその場に赴き、そこで見て取れる情報を主に描き出している感じなのですが、こちらの作品は、目に見えた情報を描くのではなく、対岸にあるものを只々傍観し、そこから自分が感じ取れるものや想像するものを描いてるような気がしてならない。
「見たモノ」を主体に表現する、「感じたもの」を主体に表現する、2つの作品には作者のそうした描く上での感覚の違いがあるように感じます。

僕は特に右の作品、味わいがあってとても好きだなあ。