植松『樹海』油彩
大竹です。今回ご紹介させて頂くのは植松さんの油彩の作品です。こちらは富士の樹海の写真を元に制作されました。洞穴から見える樹海に面白さを感じてその写真を選び、樹の繁り具合、奥行き感、逆光の表現などがとにかく難しかったそうです。しかし、それだけ力を注いだだけあって、見応えのある魅力的な作品になりました!
暗い洞穴を抜けた先に広がる木々とそこから漏れる光は、見る人に明るい予感や神秘的な印象をもたらしてくれます。空へ伸びている木々が段々と明るくなっていく色合いや、繁る葉の隙間から漏れる光の描写が非常に美しいです。
葉の色や形もよく観察し描き分けられており、富士の樹海には沢山の自然が満ちている事を教えてくれます。手前の木や洞穴の壁の黒も、ただ絵の具のチューブから出したままの色ではなく、様々な色を重ねて深みのある黒に仕上げられています。
真っ直ぐに伸びる木々と洞穴の歪んだ形の組み合わせも面白いですね。作品を観る度に新しい魅力が発見されそうです。
森のヒンヤリとした空気って凄く気持ちいいですよね。年に一度、友人の長野の山の別荘へ遊びにいくのですが、こちらの作品を観ていると、その時に森で息をおもいきり吸い込み味わった空気の美味しさが思い出されます。