偶然の絵画

20140217
木曜クラス くじ引き空想絵画

どうも幸介です!本日も先週に引き続き小学生クラスの空想画の完成作品をご紹介いたします。くじ引きで決めた文章で製作するやつですね。では、まずまた載せた画像のうち、いくつかの文章を紹介したいと思います。

「12月25日、水族館で赤ちゃんが魚とふれあった」

「元旦に王子様が海で日の出を見た」

「現代、宇宙で天使がサッカーをしている」

「冬に下水で天女が魔法をかけた」

「満月の夜、お姫さまがカラオケでライブをした」

「寒い夜、ジャングルで人魚が死んだ」

「春に草むらで一年生が転んだ」

…という風に、女子の比較的多い木曜クラスならではの、わりとかわいらしい文章が目立ちますね。そんな木曜クラスなんですが、先週月曜クラスの記事でも書きましたが、「いつ・どこで・だれが」のくじの中の『だれが』のところを幸介先生というくじを引いた生徒が

「昔々、ステージの上で幸介先生が、まずステージのうらの荷物に火がついてすぐ燃えてびっくりして、足をすべらしてステージから落ちて頭を打って血を大量にながした」

という、女子らしからぬ僕へ対する仕打ちの文章を作っておりました。なんか月曜クラスとデジャブ…。なぜみんな長文で僕を傷つけようとするのでしょうか。ひとりくらい「幸介先生がラグジュアリーなレストランを貸しきって高いシャンパンをジャンジャン頼んでた」とか書いてくれてもよさそうなのに!!なんて思いました。

今回の、くじ引きで題材を決める試みは初めてでしたが、突拍子もない彼らの感性と相まって面白い作品がたくさん生まれました。高学年には高学年の、低学年には低学年の良さがあります。ちょっと期間をあけて、またやってみたいなぁと思いました!

田中幸介

宇宙飛行士

Kobayasiuchu_4小林 アクリル・ジェルメジューム・コラージュ

土曜日を担当しています岩田です。本日は大雪と事故の影響で元住吉駅が閉鎖されていた為にアトリエまでたどり着くことができませんでした。それにしても今回の大雪は生まれてこの方初めての経験でした。積もっていく雪を見て危険を感じたのも初めてでした。やはり自然の力は人間の比ではないですね・・・。

本日は土曜日午前クラスにいらっしゃっています小林さんの作品をご紹介致します。小林さんの作品といえば一種独特な世界観で見るものに迫ってくるということで以前にも何作品かご紹介しましたが今回もとても面白い作品となりました。

1969年、アポロ11号が月面に着陸したときに撮影された宇宙飛行士をモチーフにした作品ですが何ともポップな作品に仕上がりました。
宇宙飛行士が描かれている筆致はやや粗野な感じです。それでいて決してただ雑な感じに見えないのが小林さんの絵の良いところですが更に何色かの色が重なって白の下に置いた色が透けて見える様が面白い雰囲気を醸し出しています。
宇宙服のヘルメットのシールド部分に貼られた目の切り抜き。地の色が黒だけに怖さも感じる反面、何か笑えますね。
こういったセンスが本当に素晴らしいんです。小林さんの作品はどんな画材を使って、どんな描き方をしてみても軽やかな印象をいつも合わせ持っています。

そして全体的にややヌルッとした質感を感じますね。このちょと不思議な質感ジェルメディウムというものをアクリル絵の具の上に塗っているのです。油絵で言えばバニスですね。アクリル絵の具でもこういった表面に艶を持たせる為にメディウムを塗ったりします。油絵のバニスと比べて表面保護という側面は弱いですが特にアクリルグワッシュのようなマットな絵の具の上に塗るとガラッと雰囲気が変わります。皆さんも一度試してみてくださいね。

心の肖像

Nonaka_08野中 アクリル

先週に引き続きの雪で、ホワイトバレンタインになりましたね!この時期は美味しいチョコが巷にあふれていて、見ているだけでも幸せになってしまいます♪(なかなかお高いものも多いですが…)

さて本日は水曜午前大人クラスより、野中さんのアクリル画をご紹介します。
穏やかな表情の民族衣装を纏った女性。彼女は野中さんの頭の中にぱっと現れました。現実の女性ではなく、どこか神様然とした様子からは、老若男女問わず、母性のようなものを感じるのではないでしょうか。

今回はアクリル画二枚目ですが、筆をふるう姿もいきいきと、背景にはペインティングナイフも使いながら勢い良く絵具をのせていきました。思い切った黒の入れ方や衣装の激しい赤など、自分の殻を破り新しい表現に出会った喜びに溢れていますね。

最後の仕上げでは顔に薄く立体感を出し、目元もイメージに近づくよう時間をかけました。頬や目元などもお化粧をするときのようにふんわりと優しくのせていきます。発光するように白く浮かぶ、でも暖かな印象の肌です。この暖かみがあることで、暗い背景にもじわりと伝わる柔らかさが満ちています。

サインもあえて漢字で入れることで、全体のイメージがとても面白く興味をひく様子になりました。無国籍というのか、民族や宗教も限定せずに心の中に思い浮かべる神聖さがあらわれています。

アクリルはその性質上どうしても色を重ねて多層的な深みを出すというのは難しいものなので、絵肌に光沢がなくざらついてしまわないよう、今回はメディウムを使いそこを補いましたが、更に適した画材があるならば試してみたい…と油絵にも挑戦することに。
イメージ固めに民族衣装の資料を集める中で、何十年ぶりに漫画にも挑戦した野中さん(けっこうハマってもらえたみたいで嬉しいです!)。新しいことや、今まで考えもしていなかったことも素直に楽しみ受け入れられるからこそ、このような作品が出来上がったのだと思います。

自分の絵描きたいものにより適した画材、表現方法を探求するのはとても楽しくエキサイティングなものです。どんどんやりましょう!一緒にわくわくしながらお手伝いいたします! 庄司

小学校受験プライベートレッスン

Jyuken_2
幼稚園年中作品

本日は来年度小学校受験を予定している生徒さんの作品をご紹介します。3作品とも先生と生徒さんが1対1での授業スタイルであるプライベートレッスンで描いた作品です。

グループレッスンでは、毎回の制作カリキュラムがしっかりと組まれておりますが、プライベートレッスンでは完全個別指導なので、ご家庭の方針・要望に合わせたり、志望校の出題傾向に沿った内容を学習したり、グループレッスンの補習授業として、様々な制作形態に対応できる授業形式です。

小学校受験の絵画・工作は、作品の出来映えや制作過程に、お子様の潜在能力や背景にある日々の生活が現れてきます。
こんなことを描きたいなと思ったことを自在に表現できる力、また工作では材料の特性を活かしたり道具を的確に使用しながら作り上げる想像力は、基本がしっかりと理解できていなければ力はついてきません。
まずは、お絵描きの基本と道具の使い方の基本をしっかりと身につけることが大事です。
そして、先生からのお話や指示をしっかりと聞ける姿勢ができること。これは、制作においてだけではなく、日常生活にも重要ですね。
春に年長さんになる生徒さんへ。これから描きたいこと作りたいものを楽しんで取り組めるように、今しっかりと基本を定着させましょう。

伊藤

【もの】物語

Hatano秦野 透明水彩

アトリエ・ミオス内においての狭い世界ではありますが、透明水彩の分野で評価を確立している方といえばこちら、秦野さんです。
その影響力は「秦野さんという方の水彩に憧れて、透明水彩を始めました。」と他のクラスの方に言わしめるほどであります。
秦野さんの水彩はいたって正統派な描き方でありながら、できあがった作品はここまでドラマチックなイメージが加えられているのはなぜでしょう?
それは、対象の形体や色彩・質感のみを画面に再現するのではなく、視覚的な映像を超えて、物がそこに置かれている雰囲気(空気感)を追求しているからこその表現力であります。徹底した観察によって得た完全な対象をしっかり意識して、確かな技術で描いた結果です。
またその情熱を捧げるに耐えうるモチーフ選びから時間を掛けるのも、このような完成度の高い作品を生み出すポイントです。一つの物を選ぶ際、その物体の背後に十分な理解があり、深い共感を示すことができ、蓄積された思念を感じさせるかどうかが重要になります。今はアトリエのモチーフ棚に納まる物の、以前使われていた軌跡の一つ一つを詳細に写し取ることで、それらが画面の中で生き生きと息づき輝きだす。どこまでも限りなく広がるイメージを含んでいるのは、【もの】のドラマを描いているからだと納得しませんか?
見える物の向こう側に広がる物語。(たぶんロマンチックな男性であろうと、私は勝手に思い込んでいる)秦野さんの絵画への関心は、絵筆によってストーリー性を纏っていく、魔法のような魅力をいかに表現できるか、ではないかとにらんでいます。   オバラ

かわさき市美術展

Photo
オバラです。かわさき市美術展で昨年大人クラスの神宮さんが受賞されたのに気を良くして、今年は学生達に出品したい者を募り応募したところ、半分の人数にあたる6名の生徒が入選しました!
しかも写真左-宙紀(高2)は【優秀賞】を頂いています!
2月22日(土)まで武蔵小杉の市民ミュージアムにて展示されておりますので、お時間ございましたらぜひ御高覧下さい。

第47回公募 かわさき市美術展
会場:川崎市市民ミュージアム 企画展示室1(入場無料)
日時:2月8日(土)~2月22日(土)
午前9時20分~午後5時(入場は午後4時30分まで)
2月22日(土)のみ午前9時30分~午後3時まで
会期中の休館日:2月12日(水)、2月17日(月)

偶然の産物

20140210
月曜クラス くじ引き空想絵画

どうも幸介です!!小学生クラスで1月中に製作しておりました、くじ引きで描く空想画が続々と完成しております。お題をくじで決めるので突拍子もないお題になりがちですが、そこにさらにアレンジを加えて異次元な文章に仕上げていくのは、さすが小学生と言ったところでしょうか。本日載せた画像のうち、いくつかの文章を紹介したいと思います。

「クリスマスに天人がお風呂で溺れた」

「寒い夜にステージの上で人魚が死んだ」

「夏に船で桃太朗が寝転んで勉強した」

「昔々、火星に神が降りてきた」

「元旦にかぐや姫が井戸の中で髪をとかした」

…といった具合です。どの文章が、どの絵と合致するか皆さんはお分かりになりますでしょうか?ちなみに今回の課題、「いつ・どこで・だれが」のくじの中の『だれが』の中に幸介先生というくじを入れてしまったので、それを引いた生徒が

「江戸時代に火星ではだかになった幸介先生が死体を発見して、その死体の幽霊から火星を追い出された。宇宙をただよっていると目の前にブラックホールがあらわれた。幸介先生はブラックホールへすいこまれ、はるか彼方へ消えていった」

…なんて長文で罵倒(?)される結果になってしまったのが今回の課題の失敗点でしょうか。幸介先生ってくじ入れるんじゃなかったなぁ…。ちなみに上記の文章以外でも、火をつけられたり頭から血を噴き出したりと散々な結果だった僕に対し、「のり先生」を引いた生徒は「パーティをした」とか「歯磨きをした」なんて優しめの文章ばかりだったのは何故でしょうか。やっぱりノリ先生は怒らせると怖いから!?なんて考えた課題でした。

今回の課題はとても偶然性を孕んだ制作になり、空想画に苦手意識のある生徒でも面白い場面を描くことができました。これだったらお家でもできるので、皆にはぜひお家でも「くじ引き空想絵画」をやってみてもらいたいなぁと思います!

田中幸介

ワークショップ“漆工芸”

Urusi_2左 土曜午前大人クラスの5人の生徒さんが製作中の漆器(真ん中の家紋の描かれた小箱は、小学生クラスの見本に岩田が製作したもの)
右 岩田 『シャカニョライゾウ』 漆、木材、麻布(器だけでなく、このように自由な形に造型できるのも漆という樹脂の魅力です。)

岩田です。今日は豪雪の為お休みを頂いてしまい申し訳ありませんでした。小原先生より「大人クラスの漆制作第一弾は順調」と伺いホッとしております。雪の中休まずアトリエにおいで下さった生徒さんに頭が下がります。

私が大学の3年の時、専攻(私の進学した工芸科は漆芸科、染色科、陶芸科、彫金科、鍛金科、鋳金科にの6つの専攻に分かれています)を選ぶ段階で最終的に漆芸を選んだのは、私のように漆の良さは何となくは感じていてもどこか現代における環境とは乖離していると感じている人々にアプローチするものが出来るのではないかと思ったことがきかっけです。

そういったことからも今回、小学生クラスの2月のカリキュラム、漆工芸制作(今回は漆という素材と同じような質感のカシューという塗料を使用します。)は私にとっても大変有意義なことです。この制作を通して漆という日本の縄文時代から伝わる素材、文化に子供たちが興味を持ってもらえれば嬉しいです。

また家紋をテーマに選んだのは、古来の人々が考え出した家紋のデザインとしての美しさ、面白さを主体としながらもそれを四角い箱に「現代」に生きる皆さんが如何にトリミングし、「現代」ならではの箱を作っていくかということを楽しく考えて制作して欲しいということを意図しています。
学生クラスや大人クラスでもチャレンジしたい方は、小学生クラス用に材料が揃っている2月中に土曜日担当の岩田までお声掛け下さい!

枝垂れ桜

Isigami_08石神 日本画

これから更に寒くなるような予報もありますが、桜の花を見ると、気温の綻んだ頃の暖かさを思い出してしまうのは日本人だからでしょうか。

本日は水曜午前大人クラスより、石神さんの日本画をご紹介します。
海外赴任の旦那さんのリクエストということで、和の心あふれる桜を描かれました。幽玄さと柔らかさを備えた枝垂れ桜です。

この作品は、背景の緑が素晴らしいですね。桜の薄いピンク色がたまらなく美しく見えるのはこの緑あってこそ!黄土を地に何重にも重ねた色の層に、溶けるように重なる花が見事です。花の透け具合や濃淡も何度もバランスを修正し仕上げました。大小のタッチを使い分けて垂れる花の流れを表しています。そしてそれを支える幹の質感と重量感が、儚いだけでない迫力を与えているのですね。地面はさらりと大きめ淡めのタッチで描いたことで、ゴツゴツと黒い様子がより強調されています。

日本画で桜ですから、思い切りベーシックなモチーフをどのように解釈し仕上げるかというのは腕の見せどころ。今回の作品では枝垂れ桜そのものの美しさだけでなく、それを見るものの心象風景、日本人が桜から受けるイメージなど、シンプルな構成の画面に詰め込んであるように感じます。正にこれまで描いてきた日本画の集大成とも言えるこの作品。緑が美しく、日本画っていいものだなぁ、としみじみ感じさせてくれますね。

細かいタッチで描き込む画風の石神さんですが、次回作はブレイクスルーを狙い新しい画風にも挑戦中。これは期待が高まります!! 庄司でした。

それぞれの持ち味

Youji1
幼児クラス 左上より
ななみ(年中)・いっけい(年中)・よう(年少)
つかさ(年中)・なおゆき(年中)・めい(年中)
ゆうき(年少)・そう(年長)・いろは(年中)

立春を過ぎ、これから暖かくなるのでしょうが、この寒さはまだしばらく続きそうですね。
幼児クラスは、節分をテーマに2週にわたって、先週は工作を今週はお絵描きをしました。こういった季節の行事関連の制作は、幼稚園や保育園でも必ずと言って良いほどやると思いますが、ここ絵画教室ならではの人物の動きをもったポーズの描き方や迫力のある構図を取り入れて制作しています。
Youji2_2豆まきのシーンでは、まずは『人物』と『鬼』の距離感を表現するためのイメージ作りから。手前にいる自分は大きく描くこと、遠くで逃げ回っている鬼は小さく描くこと。
また実際にみんなで豆まきをして、それぞれがどんな動きをしているか、腕や足はどんな形になっているかシミュレーションすることで、難しい説明は抜きに何だか遊んでいるうちにイメージが掴めてきます。
人物と鬼の基本的な描き方が分かってしまえば、あとは子ども達の持ち味を存分に出して、半泣きの鬼の顔でも険しく恐ろしい顔の表情でも、個々のイメージでどんどん描き進めていくと、こんなにも場面に面白さが出てきます。
豆の描き方だけ集中して作品を見るのも大変興味深いので、ぜひじっくりと全作品をご覧くださいね。

そして、こちらは保護者の方から大好評となっています「スケッチブックお絵描き」です。授業開始15分程度でマイスケッチブックに描きます。毎回お絵描きの基本となる共通テーマを先生が一つ決めて、その描き方を詳しく教えていきます。その日の授業のメイン制作が工作でも粘土でもお絵描きでも画材・材料に関係なく毎回制作する予定です。
こちらの作品は、私が実際に体操しているところを描いてもらいました。
伊藤