ランプを持って

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酒井です。小学生クラスは2月中、ひょうたんに穴をあけてランプを作りました!ひょうたんにぷすぷすと穴をあけていく作業はなかなか不思議な感触で、みんな思わず夢中になっていました。鉛筆で下書きをしたひょうたんに大きい穴、小さい穴、密度も気にしながらどんどんあけていきます。ただし、当然穴が増えれば増えるほどひょうたんは脆くなっていくので慎重に扱わなければなりません。壊すことなく見栄えがするように、どうやってに穴をあけていくか、それぞれが考えながらの作業です。細かい柄をがっつり描いた子もいれば、大胆に穴をあけて顔などを表現してみたものもあり、ひょうたん自体の形もひとりひとり違うのでとても面白い仕上がりとなりました!

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先週はあいにくの雨で断念したクラスもありましたが、完成した後はランプを持って公園へ!写真では暗さが足りなくてランプが見えづらいですが、木の枝にひとつひとつ吊るしたランプに光が灯る光景は、なかなか見ごたえがありました。是非家でも寝室にかけて使って欲しいですね!キットを買えば割と手軽に出来る工作なので、皆さん興味がありましたら挑戦してみて下さい!

日本画制作過程♪

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左から日曜クラスの木村さん、出町さん、武田さんの日本画の作品です。
しかし、まだ制作途中の作品です!ブログではいつも完成作品をアップしていますが、たまには制作過程もいいのでは!?と思いアップしました。今後どのように進めたら良いか書いてきます。
まずは「白虎」を描いている木村さん。前回の「辰」に引き続き、力強いモチーフです。ここからはまず、下半身をもっと闇にとけ込ませ、後ろ足も殆ど見えないようにしていくと、弓なりになっている体のラインがより強調されて目線が自然に奥へぐっと入り込んでいきます。そして体の白はまだ紙の地が見えている状態なので、影の部分を中心に赤系の色をまずおいて、その上から胡粉をかけていくと重みがでてくるでしょう。

続いて、出町さんの「シクラメン」です。葉は、まだ一色ずつかけただけですが、シクラメンらしい葉っぱになっていますね。日本画は油絵のように立体感をそこまで重視しませんので、このまま、影になる部分に花や茎の部分のピンクやムラサキ系をかけてあげると一体感がでてきます。花の部分は胡粉をおき、乾かないうちにピンク色を先の部分におくと滲みが自然な感じになるでしょう。

そして、タコを描かれている武田さん。立体感は出来上がってきているので、後は質感です。紫などの色をやはり影を中心にかけていきます。この時、あえて画面を立てると、絵の具が流れて不思議な模様ができます。これがタコ独特のしわしわ感に良いかもしれません。

さて、今後作品がどのように成長していくか楽しみです♪

ひとあしお先に

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庄司です。
まだまだ寒い日が続きますね。そろそろ冬の重いコートにも飽きてきたところ、ここらへんでぱぁっと春めいたらいいのになぁなんて思い始めています。

今週の幼児クラスでは雛人形を作りました。
フィルムケースに色画用紙で顔と髪を貼った後、着物の生地をぐるっと巻き付けて着物を着せてあげます。
女雛の扇と男雛の笏も色画用紙で作って、最後にクレヨンで台座に模様を描きました。

着物の合わせを斜めに貼るところ、小さい子はちょっと難しいかな?と思ったのですが、いえいえなんのその!ちょっとお手伝いしつつも、みんなばっちり着せてあげられました。手先を細かく使う難しい作業も多かったのですが、素晴らしい出来ばえ。

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かわいいもの大好き!な子が意外と渋い柄を選んでいたり、前はぱぱっと終わらせたがった子が、すご~く丁寧にクレヨンで模様を描いていたり…。幼児クラスはみんな毎回違う面を見せてくれて、本当に面白く楽しいです。何よりも元気でパワーに溢れていますもの!写真では静かで大人しそうですが、実際はすごい熱気。とってもにぎやかで毎回体当たり授業です!

ではでは完成したお雛様をじゃっじゃ~ん、とお披露目。

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実はこのお雛様の着物、本物の着物の生地を使っているんです。なんとも色鮮やかで豪勢にでき上がりました。台座も着物に負けないくらい鮮やかで素敵でしょう?
表情もそれぞれに違って、でもみんなニコニコと楽しそう。小さいお雛様たちがずらっと並んでいると、なんだかみんなでお花見をしているみたいですね。授業しているうちから、春のうきうき感が沸き上がってきました♪ぜひぜひおうちに飾って一足先に春気分、楽しんで下さいね。

こうして見ていると気分もぽかぽかしてきます。冬の静けさも好きだけど、そうだった、春ってすっごくいい季節なんだよなぁ~って感じさせられますね。幼児クラスのみんなはぐんぐん大きくなる時期、まだ見ぬ楽しいことがいっぱい待っています。どんどん挑戦していっぱい見て楽しんで欲しい!私も小さい頃に贈られたお雛様ですが、そこに込められた願いを実感してしまいました。

そうそう、3月には遠足もありますよ!来週に詳しいお知らせのプリントをお渡しします。お楽しみに♪

しょうじ

愛嬌たっぷり

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伊藤です。ミオスの美術系受験生の試験は既に終了していますが、今日一般高校の受験日には雪がチラチラと、夜にはあられが降って本当に寒い一日でしたね。肩をすぼめて過ごしていたらひどい肩こりになってしまいました。

さて、今日は幼児クラスの何とも表情豊かな愛らしい【自画像】をご紹介します!
最初に描き始める前に、鏡を使って自分の顔を覗き込んだり、鼻の硬さ、唇の厚さ、耳の穴の形など手で触って、普段何気なく見ている自分の顔の特徴をお友達と遊び感覚で体験。
もっともっと細かいところまで見てみよう!ということで、虫眼鏡登場!鼻の穴やまつ毛・眉毛の一本一本までお友達をジロジロ観察。お友達同士で顔のパーツを見せ合いっこしながら、恥ずかしがっているのか?面白がっているのか?
程よく盛り上がったところで、下描きです。顔のパーツの輪郭線のみクレヨンで描きます。

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自分の顔よりも大きく描くことで、クレヨンの線の太さでも細部までしっかりと描けます。
目やまつ毛の形、リアルな鼻の形が幼稚園生の持ち味である思い切りの良さでとってもよく描けていますね。
完成に至るまでの制作の過程がとても魅力的なので、今日は制作風景をたくさん写真でご紹介したいと思います。
愛嬌たっぷりに仕上がった自画像の細部までどうぞじっくりとご覧ください!!

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二者二様のデッサン

Sumikai鷲見 鉛筆デッサン

赤尾です。今日は日曜大人クラスの鷲見さんと猪野さんの鉛筆デッサンをご紹介します。
まずは共通点ですが、お二人共20代の時にアトリエに入会してから、ほとんどデッサンを中心に8年続けられている現在30代半ばの男性です。
もちろん息抜きに着彩を描かれることもありますが、基本はデッサン!!!
女性の私からすると練習のために必要なのはわかっていますが、デッサンだけでなく色を使って好きなように描きたい!と思ってしまいます。ですがお二人はこのデッサンを中心とした制作をずっと続けられており、男性ならではのストイックな姿勢を感じます。
また鉛筆をしっかり乗せた無骨で男性らしいデッサンを描かれるお二人ですが、実は制作過程は全く違っていたりします。

Inotoranpeto猪野 鉛筆デッサン

鷲見さんは柔らかい鉛筆で最初からしっかり色を乗せ、それを練りゴムで削ったり、上から硬い鉛筆で細かい描写をどんどん加えて先へ進んでいく方です。
それに対して猪野さんは画面の中で決めた一部をまず描写し、そこが終わったら次の箇所・・・といった風に部分部分で仕上げる方です。
鷲見さんはたくさん描いてモチーフの形や印象を捉えることを重視されており、制作時間も猪野さんと比べるとかなり早いです。
猪野さんはとてもスローペースでの制作で、少しずつ描写していく過程やその時間を楽しんでいるような印象を受けます。
同じ鉛筆デッサンでも、描いている方についてわかると何倍も面白いですよね!?
今後もストイックな制作姿勢から生まれるたくさんのデッサン、楽しみにしています。

もらえないなら自分で作れ!

Gakuseivt

学生クラス特別企画 『バレンタイン・スペシャルイベント★クッキー作り』

火曜学生クラスは13人在籍していますが、美術系に進学を希望している学生はいないので、ミオスの全17クラスの内で最もFreedom♪
というより、ユルい…
やりたい事を自由にできるだけでなく、やりたくない時はちょっとならサボってもOKな、イギリスのフリースクールのようなクラスです。

生徒はルールの範囲内で自由に行動でき、やりたいことを講師との相談により決定していく。それにより生徒は学ぶべき内容を講師から押し付けられるということがなく、自らの好奇心のおもむく事を追求することができる。また学生たちの行動を強制することはしない。生徒と講師の立場は互いに対等である。

という信念があるようなないような、もっといい加減なような、でもいつもすごく楽しい学生クラスの一場面でした☆
オバラ

10 years ago~無垢~

20120213赤羽 『10 years ago~無垢~』 油彩

どうも幸介です!本日はアトリエ歴のながーい月曜大人クラスの生徒の油絵をご紹介いたします!彼は小学校1年生くらいからアトリエに通っている訳ですが、そんな彼もついには卒業論文を書くような年齢になってしまいました。感慨深い…まずは制作者本人のコメントからどうぞ!↓

「この絵は10年前、誕生日に撮った写真を描いたものです。これまで、自分と向き合うという意味で、この1年ほど自画像を描き続けてきました。ただ、現在の自分にフォーカスしているだけでは、平面的にしか自分を理解できないと感じていました。そこで、過去の自分を描くことでより立体的に自分を捉えようと考えました。技術的には、久し振りに油絵に挑戦したこともあり、写真通りの無垢な笑顔を表現できず、かなり苦労しました。次は、これまでの作品を踏まえ、未来の自分を意識した自画像を描いてみたいと思っています。
p.s 何名かの方からこの作品を見て「黒人?」というコメントを頂きました。いいえ、ジグロです!! 以上。」

真面目か!!画像とは裏腹に真面目なコメント!!というか1年も自画像を何枚も描き続ける精神力というか忍耐力というか鈍感力というか、牛歩でゆっくりと自分を見つめ直す彼の姿勢は、もはや老年の画家のようでした。せっかちな僕は毎週のように「終わる?今週で終わり!?もう終わりだよね??」と言い続けてしまいました。反省しております。

10年前の自身の写真をモチーフにした訳ですが、そもそもバラの花をくわえた写真を選んだことと、完成した今現在、あらためてバラの花をくわえて写真を撮らせてくれる彼の心意気に救われます。欲を言えば絵の描写ももっと!!などあるのかもしれませんが、これはこれで良くて、彼はこれが良いのだなと、なんとなーく噛み締めております。

本人のコメントによると、まだ自画像は続くようなので、これからのライフワークにしてみても面白いのかなと勝手な期待を寄せています。なによりようやく完成で清々しい!!

田中幸介

小学生クレヨン画第三弾!

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酒井です。アトリエの受験期間は無事終わりましたが、うちの大学はただ今試験の真っ最中!校内立ち入り禁止状態なのです。そういえば私の受験日はバレンタインだったなぁ、なんて懐かしく思います。

さて、先週、先々週と続けてご紹介しました小学生のクレヨン細密画、今日は最後「果物」を紹介します!パイナップルをまるごとどーん!とモチーフに持ってきました。缶詰のパイナップルはよく目にしても、カットしてあるものはなかなか目にしないのではないでしょうか。物凄い存在感!

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パイナップルの果肉の芯の部分や、固い葉っぱの表現など、細かい所に個人個人のこだわりが感じられます。「もう塗れたよ!良いでしょ?」と嘆く小学生たちに「もっと濃く塗れる!まだ重ねられる!」と粘ったかいあって、大迫力の作品が出来上がりました。これだけ描きごたえのあるモチーフを経験していれば、もう怖いもの無しですね!ではこれにて、3週続いた小学生のクレヨンが紹介終了です。2月の立体作品もお楽しみに!

話題の展覧会

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チノです。本日は、今横浜美術館で開催中の「松井冬子展」について書きたいと思います。
土曜クラスでは、結構話題にのぼっておりまして、それを機に展覧会に行った方、そして触発され、「絹本(絹に描く事)」に挑戦される方がでてきたりしております!今一番hotな展覧会なのではないでしょうか?!

松井冬子さんは、女子美の短期大学を卒業し、一旦社会に出たものの、やはり絵が描きたいと何浪もして芸大に入学して、日本画を勉強しました。その時の卒業制作がちらしにも載っている「世界中の子と友達になれる」です。
そしてこの作品のころから段々知られるようになっていったような気がします。(大学在学中に芸大の大学院の卒業制作観に行ったんですが、当時から既に有名でした。)
最初、この作品を知った時、タイトルと絵が結びつかなかったのですが、展示作品や、解説を読んで、バラバラだったイメージがつながったような、ぞわっとした感覚がありました。
これは是非作品を生で見て、感じていただきたいです!横浜美術館のHPで作品解説されていますが、あえてここでは書かないことにします。

ただのグロい絵と思われがちですが、違います。体を張った拒絶であったり、主張であったり、なにかめまいのするような狂気が渦巻いています。う、うまく説明できないのがもどかしいです!

3月18日(日)まで開催されています。
一見の価値ありですよ!!展示方法もナイスです。
作品の世界感があるがゆえに、見終わった後にどっと疲れますが・・・笑

眼差しの絵画

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野中 透明水彩

庄司です。甘酒がおいしい♪冬の幸せです。白菜の豚バラミルフィーユ鍋も美味しい♪この間、出汁を取り忘れちゃったのですが、そうと気付かないほどちゃんと白菜も甘い美味しい鍋になっていました。素材だけでも十分すぎるほど十分なんですねぇ…すごい。

今回の作品は、野中さんの水彩画です。毎回、じっくりとモチーフと向き合って描かれている野中さん。ひたむきにモチーフに注がれる眼差し、素晴らしいのです。
盆の上の果実たちもいきいきしていますね。洋梨は、沢山の色を重ねてこんなにも深みのある表現になりました。背景の壁にもジェッソを少し混ぜた絵の具をはらい、雰囲気を重ねていらっしゃいます。同じような茶系の木のゴツゴツ感と鳥の羽毛の質感の違いなども、苦労しただけのことがある仕上がりですね。でも茶色ならなんと言っても、栗の色味にとっても惹かれてしまいます。だってこんなにも美味しそうなんですもの!色作りのセンスも冴えていらっしゃいますね。

ちなみに…。野中さんはとってもお上品で物腰も柔らかい奥様という印象なのですが、実はど根性の方…と密かに思っています。だって毎回、じっと見すぎて目がくらくらしてしまったわ、とおっしゃるほどにまでモチーフをしっかりとしっかりと(強調してしまいました)見つめているんですよ!
習っていらっしゃる俳句の先生にも、『よく見なさい』と言われるの、とおっしゃっていました。ものを見るってきっと言葉でも絵画でも、本当に一番大切で一番難しいところですよね。うーん、素晴らしい実践!

そんな野中さん、次はデッサンでもう一度基本に立ち返り技術を深める計画です。布の表現ももっと描きたい、と只今少し丸めたストライプの布が入っているモチーフに挑戦中です。布は本当に面白く難しく挑戦しがいがありますから、ぜひもっと見てみたい!挑戦して頂きたい!と感じていたので私もわくわくしています。デッサンはまさに見る力の結晶体!描きながら野中さんの技術、眼力が更に高まっていくところ、もう楽しみでなりません♪

しょうじ