アーツ&クラフツ展

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昨日の赤尾先生のブログに続き、私も先日行った上野の東京都美術館で開催されている(~4/5まで)「生活と芸術 アーツ&クラフツ展・・・ウイリアム・モリスから民芸まで」がとても良かったのでご紹介します。

まずこの展覧会のチラシを手にした時、とても惹かれました。魅力的な作品の写真がカラフルで目立つ一方で、チラシ全体の白と黒の美意識が光りその両方のバランスが好きです。

いつ頃だったか、かなり前にモリス展を観に行ったことがありますが、今回の展覧会は「モリスから民芸まで」という副題がついていたので、大陸を越えたデザインが同じ空間にどのように展示されているのかとても期待して行きました。(ただ最後の日本の部屋で、木彫りの仏像から始まり、棟方志功の版画で終わっていたのが・・・???無名だった棟方志功は、柳宗悦に才能を買われ有名になったそうですが。)
この展覧会、3部構成になっているのですが、さすがに各国の作品を一気に鑑賞するのは見ごたえのある展覧会でした。

モリスの遺した言葉、「役にたたないもの、美しいと思わないものを家に置いてはならない」・・・・、これ、理想ですが現実的にはかなり難しいことですね。この展覧会にある作品は、これぞ生活に密着した芸術!と言えるものばかり。私はおしゃれな雑貨屋に入るのが好きなんですが、そこで出会う素敵だなぁと感じる家具や日用品のルーツがこれなんですね。

この展覧会の作品はタペストリーや家具、テーブルウェアなど生活用品がほとんど。
私が好きな作品は、家具の中で数多く展示されていた椅子。椅子をこれほど眺める事ないと思うけど、見ていて飽きない・・・椅子なのに。どこから見てもラインが美しい。作品を見ながら、展示されている美しい椅子とモリスの壁紙を頭の中でインテリアコーディネートしながら鑑賞するのもおもしろいです。

またモリスの思想とは異なる(大量生産)作品ではあるけれど、「スープ用の鉢とレイドル」(写真がないので分かりやすく書けば、鍋とお玉)という作品が現在にも通じるとても洗練されたデザインで目に留まりました。1800年代に日用品としてこのようなモダンで機能的なフォルムが世に誕生していたとは衝撃的でした。

それから、民芸サロン「三国荘」の再現空間。家具があり、その上に日用品が置かれ、飾り物ではない日常の中の暮らしの美が展示されていました。

この展覧会は4月5日まで東京都美術館で開催されています。あと1週間ほどですので、興味をもたれた方はお早めに! 伊藤